インプラント治療
Implant
インプラント治療で
大切にしていること
Important
近年、インプラント治療の有効性と機能性が重要になってきています。2013〜2016年頃にはマスコミのネガティブ報道も白熱していましたが、その本当の報道目的は何でしょうか。そう、患者さんの幸福度の話です。
くまさか歯科では35年以上にわたり、約1,100症例に及ぶ多様な実績(インプラント治療に特化した歯科医院に比べると少ないのですが、一般歯科医としては少なくはありません)をもとに、科学的な検証を踏まえたインプラント治療を行なっています。開院当時から手術室を完備し、20年以上も前から歯科用CTも導入済みです。付随するコンピューティングプランニング、そしてCAD/CAMなど、先端的な設備・機器で常に対応しています。
しかし、生体の不確実性などにより、インプラント治療のリスクが皆無になることはありません。ベネフィットとリスクの割合が可能な限り小さくなるように努力することが、私たちの使命です。そのためには、お口の健康に対する十分な説明と理解、そしてインプラント治療に対するお互いの知識の共有が、将来における快適な口腔環境を作り上げると信じています。
さらに、インプラント治療は目的ではありません。健康になるための一つの手段ですから、いろいろな角度から相談してみましょう。フェイスツーフェイス(顔を見ながらの対面相談)でお話をしませんか? 「本当の健康とは何だろう」というお話で良いではないですか。
当院の
インプラント治療の特長
Features
多様なインプラント治療の実績
1988年の開業以来、長年にわたりインプラント治療に取り組んできた当院。一般的な歯科治療にも対応する歯医者ながら、約1,100症例(1988~2022年時点)もの多様なインプラント治療を行なってきた実績があります。
充実した設備
当院では積極的に設備を整え、歯科治療に必要な設備・機器を充実させています。開業当時から手術室を完備し、インプラント治療の安全性に配慮してきました。また、歯科用CTなどもそろえています。
しかしながら、生体の不確実性などにより、設備を充実させるだけでは治療のリスクが皆無になるわけではありません。治療によって得られるベネフィットをできるだけ高め、リスクを可能な限り低減するよう努めるのが私たちの使命です。その実現に向けて、当院では快適な治療環境の構築を進め、地域のみなさまに安心してお越しいただける歯医者を作り上げています。
難症例への対応
インプラント治療を行なうには、十分な顎骨の高さ・厚みが必要です。顎骨が不足している場合には、CGFというゲル状の物質を活用して骨再生を促します。
CGFは患者さんの血液を遠心分離機にかけることで作製でき、採血も10ccという少ない量で済みます。血小板や成長因子などが含まれた自己血液由来の物質のため、体の拒絶反応や感染症のリスクを軽減でき、再生医療の原則である細胞・足場・成長因子の3つを揃えることにつながります。当院では、一般的な歯科治療における外科処置や、歯周病治療における骨欠損への応用などにもCGFを活用しています。
インプラントとは
About
何かしらの理由で歯を失った部分の、見た目と機能を回復させるのがインプラント治療です。顎骨にインプラント体(人工歯根)を埋入し、アバットメントというパーツで連結して、その上に人工歯を装着します。天然歯のような自然な見た目に仕上げることが可能で、快適な噛み心地を得られるというメリットもあります。
インプラント治療に適したケース
歯を失った部分の両隣が健康な天然歯のケース
ブリッジ治療のように、両隣の健康な歯を削る必要がありません。健康な天然歯に負担をかけずに治療可能です。
奥歯から順に抜けたりぐらついたりするケース
奥歯が抜けると残った歯にかかる負担が大きくなります。独立して噛む力を受け止められるインプラント治療がおすすめです。
口腔清掃やメンテナンスが行き届いているケース
虫歯や歯周病がなく、お口の中が清潔に保たれていれば、治療の成功率がより高まり、インプラントを長持ちさせることにもつながります。
けがにより歯を失ったケース
交通事故やスポーツ中のアクシデントなどで歯を失った場合、早くに対応すれば顎骨の状態が良好なことが多く、インプラント治療に適しています。
総入れ歯が合わなくて悩んでいるケース
総入れ歯の代わりにインプラント治療で歯を補うことも可能です。体力があり健康状態にも問題がなければ、インプラント治療を開始できます。
インプラント・入れ歯・ブリッジの違い
治療の種類 | インプラント治療 | 入れ歯治療 | ブリッジ治療 |
---|---|---|---|
適応症例 | ◯ 外科手術が必要で、全身疾患がある場合などは適用できない。 | ◎ ほとんどのケースで適用できる。 | △ 両隣に土台となる天然歯がないと適用できない。 |
費用 | △ 基本的に自費診療で、高額になりやすい。 | ◎ 保険適用も可能で、費用負担を抑えられる。 | ◎ 保険適用も可能で、費用負担を抑えられる。 |
周囲の歯への負担 | ◎ 周囲の歯には負担がかからない。 | △ 部分入れ歯の場合、周囲の歯に負担がかかる。 | △ 両隣の歯を削る。装着後も両隣の歯に負担がかかる。 |
顎骨への影響 | ◎ 顎骨が痩せにくい。 | △ 入れ歯が合わないと顎骨が痩せやすい。 | ◯ 入れ歯ほどではないものの、顎骨が痩せやすい。 |
噛み心地 | ◎ 自分の歯に近い感覚で噛める。 | △ 噛む力が低下し、噛み心地に違和感を覚える可能性も。 | ◯ 自分の歯のような感覚で噛めるが、噛む力は強くない。 |
見た目 | ◎天然歯のような見た目に仕上げられる。 | △種類によっては、部分入れ歯の金属のバネが見える。 | △保険適用の奥歯は金属製になるため審美性は低い。 |
耐久性 | ◎ メンテナンスを継続すれば、20年以上長持ちする可能性がある。 | △ 保険適用の場合、耐用年数は3〜5年程度。 | △ 保険適用の場合、耐用年数は10~15年程度 |
治療期間 | △ 3ヵ月〜1年程度かかる。 | ◯ 2週間〜1ヵ月程度で治療できる。 | ◎ 2〜3週間程度で治療できる。 |
インプラント治療のメリットとデメリット
メリット
健康な天然歯を削らずに済む
人工歯根を顎骨に埋入するため、周囲の歯を土台にする必要がありません。健康な天然歯に負担をかけずに治療できます。
天然歯のような自然な見た目
人工歯はセラミック製で、周囲の歯の色味に合わせることができます。天然歯と見分けがつかないほど、精密に仕上げることが可能です。
自分の歯のような快適な噛み心地
人工歯根が顎骨に固定されているため、自分の歯のように強く噛むことができます。噛む力が顎骨に伝わり、顎骨が痩せにくくもなります。
デメリット
治療が長期間に及ぶ
人工歯根を埋入する外科手術や、顎骨と結合するまでの待機期間などがあり、治療期間は3ヵ月〜1年程度かかります。
費用が高額になりやすい
基本的に自費診療となり、費用は全額自己負担です。顎骨を増やす手術が必要な場合などは、さらに費用が高額になるといえます。
誰でも治療を受けられるわけではない
糖尿病・高血圧症・心疾患などの全身疾患がある患者さんは、インプラント治療を受けられない場合があります。
メンテナンスを継続する必要がある
インプラント治療完了後は、インプラント周囲炎などを予防するために、メンテナンスを継続いただくことが必須です。
インプラント治療の流れ
Flow
Step
1
治療計画のご提案
インプラント治療を行なう場合には、十分に時間をとってカウンセリングを実施し、患者さんのご要望やお口の状態に適した治療方法をご提案します。また、インプラント治療のメリットだけでなく、デメリットもご理解いただけるように丁寧にご説明します。さらに、治療後まで見据えた治療計画をお伝えし、将来のイメージを共有することを大切にしています。
Step
2
人工歯根の埋入(外科手術)
外科手術により、人工歯根を顎骨に埋入します。患者さんによっては顎骨の高さ・厚みが足りない場合があり、先に顎骨を増やす手術が必要なケースもあります。
Step
3
人工歯根と顎骨が結合するのを待つ(3~6ヵ月)
埋入した人工歯根が顎骨と結合するまで、待機期間となります。個人差があり、3ヵ月〜6ヵ月程度かかります。
Step
4
人工歯の装着
仮の人工歯を使って、人工歯根と顎骨の結合具合をチェックします。その後、人工歯を作製して、装着すれば治療完了です。
Step
5
メンテナンスの継続
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスが重要となります。治療完了後は、半年〜1年に1回程度のペースで、メンテナンスにお越しください。インプラント自体が虫歯になることはないものの、インプラント周囲炎などにかかるリスクがあり、状態が悪くなるとインプラントのぐらつきや脱落が起こる可能性もあります。
当院では、メンテナンス専用のサロンを併設していることが特徴です。治療スペースとは異なる落ち着いた空間で、快適にメンテナンスをお受けいただけます。
インプラント治療の
費用について
Price
- 手術技術料+材料費
- CT撮影料、ステント作製料含む 253,000円
- オールオンx(4~8)本
- 上顎 2,915,000円
- オールオンx(4~6)本
- 下顎 2,420,000円
- ロケーターデンチャー
-
上下顎4本~
3ヶ月1回交換/1個5,000円 891,000円 - ロケーターデンチャー
-
上下顎2本~
3ヶ月1回交換/1個5,000円 451,000円 - サイナスリフト(GBR)
- 片額 116,000円
- エキスパンジョン
- 75,000円
- 歯牙移植(保険適用できない場合)
- 50,000円
- ソケットプリザベーション(GBR)
- 25,000円
- 静脈内鎮静法
- 88,000円
●リスク・副作用
○インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
○CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用
・コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
・治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
・人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
・ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。
○骨造成にともなう一般的なリスク・副作用
・機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・外科手術が必要となります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
・歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
・口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
・日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
・サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
・体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
・骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。
○CGFを用いたにともなう一般的なリスク・副作用
・自分の血液からPRP(多血小板血漿)を抽出し、その成長因子が持つ組織修復能力を利用することで、骨や歯肉の再生を促します。
・機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・技術を要するため、多様な臨床経験をもつ歯科医師による治療が必要です。
・血液がサラサラになる薬を服用されている方の場合、CGFができにくいので通常より多めに採血します。
・採血が必要となるため、一般的な採血と同様、一時的に腕の内出血などが発生することがあります
○入れ歯の作製・使用にともなう一般的なリスク・副作用
・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・入れ歯を固定するため、患者さんの同意を得てから残存歯を削ったり抜歯したりすることがあります。
・使用直後は、口腔内になじむまで時間がかかることがあります。
・事前に根管治療(神経の処置)や土台(コア)の処置が必要となることがあります。
・入れ歯を装着していない時間が長いと、残存歯の傾きや損失、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収などが起こることがあります。
・咬合が変化したり、固定源である残存歯が削れたり抜けたりした場合は、入れ歯の調整・修理が必要になることがあります。
・金属を使用する入れ歯では、金属アレルギーを発症することがあります。
・使用方法などにより、破損することがあります。
・定期的な検診・メンテナンスが必要です。
○ブリッジの作製にともなう一般的なリスク・副作用
・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・失った歯の両隣の健康な歯を削る必要があります。
・支えになる歯に負担がかかり、将来的にその歯を失う可能性が高くなります。
・奥の場合は金属でしか対応できません。
・連続して歯を失っている場合、治療できないことがあります。
・ブリッジと歯肉との間に食べ物のかすが詰まりやすいので、口の中の衛生状態を保つことが難しくなります。
・顎骨の吸収を抑制できません。